top of page

日本画のためのスケッチの描き方

全国の日本画を描かれる皆様。

スケッチの仕方でお困りの方も多いと思います。

今回は本地裕輔のスケッチの描き方を紹介します。

滋賀県 甲賀市の青土ダム付近にてスケッチをします。

誰もいない山奥です。


日本画はどうしても室内で描くので、

「観念的」な形や色になってしまうことがよくあります。

自然の造形を取り入れた上で改めて制作をすることで自然に見える作品を描くことが大切です。



スケッチのポイントに着きました。

2Bの鉛筆で軽くアタリをとります。



アタリを目安にホルベインの透明水彩で描いていきます。光が徐々に変わりますが明暗や立体を追いかけずに「固有色」と「質感」を追いかけます。

明暗で追いかけすぎると天候に左右されすぎるので実は難しい気がします。


完成した作品です。

手前の木は質感のみで明暗をとっていません。奥の川の色と木立の暗闇を対比させました。



2枚目です。

朝の6時のダム付近です。


こちらもポイントを決めて

2Bでアタリをとります。

アタリは、地平線をどこに設定するかを明確に決めることが大切です。

絵のバランスが地平線の位置で全て決まってきます。




離れて全体のバランスを確認します。

あまり細かい部分にとらわれずに、大まかに描く場所と描かない場所のバランスを考えて描きます。


途中段階でも完成のイメージをもって描きましょう。


完成です。山のシルエットの印象を大切に描きました。円形の山はバランスを考えて少し実際より高めに描きました。

少し嘘をつきますが、以前院展の研究会で、田渕俊夫先生が

「ほんとを描くと嘘になることもある。絵描きは嘘を描いてほんとに見せなくてはいけません。嘘が必要なときもある。」

と指導をされていました。

絵の中での見え方の自然さを大切にされていると感じました。


日本画のスケッチでお悩みの方はメールからご質問も受け付けています!

閲覧数:472回0件のコメント
bottom of page