日本画 小下図 描き方2020.
日本画の描き方でお困りの初心者の方
今回は本地裕輔の小下図の過程を紹介します。

最初に小下図のアイデアを縦構図または横構図で考えます。
「調子の流れ」「色のバランス」を見ます。
私は大学院一年生のとき、松村公嗣先生に木曽川を描いた小下図をお見せしたときに
「わるくないけど明日までにあと10パターンつくっておいで」
と指導をいただき、驚きましたが
実際に作ってみると、「構図をよく比較する」を体験をしました。
日本画は途中で大幅な変更はできません。
小下図で制作の流れを疑似体験することでスムーズに完成することができます。

構図が決まったらパネルに水張りをします。
写真上のパネルはA4程度の下図専用パネルです。
下図も本番同様「岩絵具」で描きます。
よく、水彩や色鉛筆で描く場合もありますが、勝手が全く違うので、
必ず岩絵具での制作をおすすめします。

濃黒茶9番で全体におおまかに描写し墨灰末11番で隙間を埋めます。
画面の中心の強い黒を基準に四隅の調子を決めていきます。
ステッドラーの鉛筆で例えると
3Bが濃黒茶9番
HBが墨灰末11番
輪郭を引くと、かたくなるので今回は輪郭をひいてません。また、明るい部分は和紙の白色を大切にして絵具を乗せないように進めていきます。

筆は
ぼかしは連筆、
「立面」は平筆をセザンヌのように斜めに持って使う。
(岸本浩希さんも「立面」は平筆を使ってると思います)
細部はあえて即妙を使わずに「面相」
即妙は下図の場合は画面に対して大きいので、本番で使いますが、下図では「面相」で描きます。
の3種類を使います。
筆もたくさんの種類を使うと混乱するのでこの3種類に限定してみました。
日本画の描き方では、
輪郭→骨描き→隈取り→水干→胡粉を引く→黄土で下地→岩絵具
の順が一般的ですが、本地裕輔の場合は
「いきなり9番の岩絵具」 を使うことがあります。
この一連の作業の中であまりに作業感が強くなるのを意識して一発描きをしています。
強い調子も徐々に強くするのではなく
最初から完成の色を置いてみると画面の中で比較しやすいかもしれません。
分からないことなどあれば、メールの欄よりお気軽にご相談下さい。
でわ、
岸本浩希さん
山口貴士さん
2020.6の勉強会にてお会いしましょう。