日本画の描き方でお困りの初心者の皆様。
今回は本地裕輔の150号の手順を紹介します。

今回は地面からの照り返しの光の「反射光」に注意しながら描き進めました。
岸本浩希さん、山口貴士さんも自分の光源設定を持っており
無意識で「反射光の操作」をしているのが現状です。

墨で小下図を見ながら調子をつけていきます。
画面の主役となる部分から描きます。固有色は考えずにモチーフの『垂直』の部分のみに
墨を置いていきます。
地面からの「反射光」もこの段階から意識します。
「反射光」(モチーフの『上』が濃くて『下』が薄くなります)

墨ではコントラストが出ないので『藍墨色』(らんぼくしょく)も併用していきます。
描き進めても初めと見え方のバランスは『全く同じ』です。
反射光を強く意識しています。

描きだしは『色』を使うと画面が混乱するので「無彩色」でデッサン的に描き進めます。
『珪灰末』
『墨灰末』
を中間色に使用しています。
白は『紙の白』です。

おおむね、白黒での見え方ができたので色を入れていきます。

マスキングテープで、直線の「修正」をします。
どうしても筆だと描き進むと『ぐにゃぐにゃ』してしまうので、有機物と無機物の差をしっかりと描き分けます。

銀箔をアクセントで 『ちらし』ます

雨の光る感じを銀箔で演出します。実際の景色はのっぺりしていますが、
「反射光」をかけていきます。
写実日本画では、「前光」「逆光」「斜光」を1枚の画面に光の量も変えて描き込むことで印象を強くできます。
ちなみに石膏デッサンで同じ光源からのトーンを正確に再現できることが反射光を自在に扱うための前提条件となります。
やっぱり石膏デッサンて大切ですね。

最後は全体に 珪灰末を薄くかけていきます。
少し緑と青の不思議な色合いの絵の具です。仕上げに使うと「奥行き」が出る気がします。

額縁をつけて完成です。
150号のサイズは大きいですね。
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