日本画の描き方です。
今回は、雪椿の制作手順です。

写真上
「雪椿」 サムホールサイズ完成作品。

はじめに、墨、珪灰末11、墨灰末9、
で、全体のあたりをとります。
花が白く浮かび上がるように調子を見ています。
葉っぱは、ほぼ墨です。
墨と墨灰末9を、ベースに、2割程度
珪灰末11を混ぜることで、背景にザラついた質の表現ができます。

全体に、キラをかけ、部分的に鶯緑11をのせます。
この段階でも花が浮かび上がることだけを意識しています。
葉っぱを一枚描く意識はせずに、たとえば
葉っぱ全部を1つの「かたまり」として解釈しています。
おそらく山口貴士さん、岸本浩希さんも、画面のある部分を「かたまり」として処理をする意識は、大学時代にかなり鍛錬しています。

葉っぱの上面にティッシュに胡粉をつけて雪が、ほんとに積もるように優しく叩きます。

細かな雪の隙間は、筆で自然に見えるように、調整します。
この点においては、田渕俊夫先生に院展の研究会のときに「日本画はたまに嘘を描くけど、それをほんとに見せるのが大切、本当のことを描いても嘘になるときもありますよ」と、教えて頂きました。
このときは、実際にあるマンホールをそのままかいたら、そちらに目がいってしまうから、という事例でしたが、このご指導はとても、大切にしています。

落款を押します。
下から3つ目
横から2つ目
の比率にしました。

額に入れて完成です。
冬の冷たい雪と、暖かかな椿の色を対比して描きました。
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