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葉

日本画家本地裕輔の日本画 さくらの描き方 (岩絵具での桜の描き方)

更新日:2023年12月14日

完成作品 80号 『水の路』





●日本画の描き方の制作手順です。

日本画の制作手順がお困りの初心者の方多いと思います。

今回は『桜の路』です。

取材地は岐阜県大垣の松尾芭蕉の奥の細道結びの地の風景です。


●写真上 大下図のトレースが終わった段階です。

大下図はトレースの時に『赤いボールペン』を使うのが一般的です。

ボールペンの太さは0.7ミリがオススメです。あまり細すぎると、黒の線と見分けにくくなってしまいます。

●日本画は画材の特性上『大幅な形の変更』が効きにくいので大下図の段階で

『新鳥の子紙』で下図を作ります。

●日本画の巨匠の竹内栖鳳や上村松園などの大下図は何度も紙を上から貼り直して形を直しています。

●写真上のこの段階では、線描きしか画面にありません。ここは描き方としては作業が強いので、集中して一気に描き上げた方が線の質が変わらないので良いと思います。


●写真上 大下図を写した画面の中心から墨の濃淡をつけていきます。

 墨は茶墨を使用してます。

●『隈取り』

この仕事が仕上がりの明暗に影響します。濃い墨から薄い墨まで使い分け、デッサンのような感覚で描いて行きます。

●この段階では岩絵の具は塗りません。

●中心の空間が画面の基準になるので、中心の空間を意識して描き込みながら、画面のバランスを見ています。


●写真上 濃い墨と、薄い墨が分かるように皿の下に、ふせんを貼ります。

描いてると、墨の皿が濃いか薄いか、分からなくなるので、おすすめです。

筆も濃い墨、薄い墨で使い分けます。



●写真上 墨入れの中盤の段階です。


●濃淡で画面の『奥行き』をイメージしながら中心と船の部分に手を入れます。

●この段階より先で大幅な調子の変更はありません。

 全体感が出てくる段階です。



●写真上 岩絵の具で桜の桃色を盛り上げていきます。

●乾いたらまた描くなどを繰り返して、花びらに厚みを持たせます。

いきなり厚く塗ると『ヒビ』が入ることがあるので、薄い絵の具繰り返し描きます。

●桜と水面の距離感を意識しながら描きます。

水面が遠くに行くように絵の具の番号も13番も混ぜます。粗い絵の具は手前に出て見えるからです。全体に色が入りました。いわゆる『かっちり』岩絵具を置いた状態です。

●この後雰囲気を出す仕事ですが、ここまでは「作業色」が強いです。

●右の堤防部分も正確に描こうとしてますが、この後絵に必要でないと判断し、思い切って完成では消しました。


●完成●写真上 刷毛で『岩桃の白』『胡粉』をかけていきます。花びらも少し入れました。

●全体の雰囲気が柔らかくなったところで、完成です。


●あまり絵具をかけすぎると『ぼけて』来るので、適度なところで止めるのがコツです。

 完成から逆算して描くのがコツです。

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