日本画の描き方や技法、手順でお困りの初心者の方、多いと思います。
今回は、本地裕輔の日本画全般の描き方です。
1つの作品の工程は別の記事にてお読みください。

写真上
『隈取り無し』バージョンの描き出しです。いきなり『あたり』をとるやり方です。

写真上、水仙こちらは完成の状態です。
以下より解説です。
今回は
画材や、岩絵の具、箔などの使い方を解説いたします。

●写真上
日本画の基礎となる『大下図』の部分拡大写真です。
大下図はこのようにほぼ
『線描き』で構いません。
●大下図は本紙に移す時に『調子』は移せないので、1本調子な線描きが向いています。
「あたり」や、大まかなボリューム感を確認するために、調子を入れた方が画面が見やすい場合もあ理ます。
●写真の大下図の場合は、
『隈取り』で混乱しないように、
植物の葉の『調子の強い』部分に「バツ印」を描いています。

●写真上
日本画の画材の『岩絵の具』です。写真の球体のガラス瓶に大体『6両』入ります。
名古屋市中村区にて製造されている瓶です。
日本画を描く際には水干絵の具と岩絵の具を、併用します。
●日本画の画材屋さんでは、1両単位で販売されています。
1両が約15グラムです。
ちなみにコチニールなど軽い絵の具は画材屋によって『半両』買いもできます。
表現によって、岩絵の具の細かさを変えます。
●そのまま岩絵の具を使うこともありますが、私の場合ですが、大抵は番手を変えてブレンドして、混色して色を作ります。
●この描き方は日本画の描き方の本などでは、オススメされていませんが、
違う番号も平気で混ぜます。
1、岩絵の具の盛り上がり方に複雑味が出る
2、岩絵の具の『混色』でしかでない色がある。
3、水を多めにすると「さざなみ」ができる。
●混色した岩絵の具を塗る場合、
皿の中で岩絵の具を『かくはん』して塗るのが原則です。
時間が経つと番号が分離してしまいます。

●写真上
日本画の筆と、刷毛、お皿です。
筆は色々なメーカーがありますが、
『得應軒』(東京)
『清震堂』(東京)
『不朽堂』(東京)
『ナムラ』(京都)
が、多く使われます。
●日本画を描く場合は刷毛も、なるべく『漆塗り』の刷毛がオススメです。
木のむき出しの刷毛は、傷みやすい気がします。
●マスキングテープも、日本画の描き方で実は岩絵の具で『直線』を描くのはとんでもなく難しいので、モチーフによっては、マスキングする描き方もあります。
『溝引き』は墨ならできますが、じつは『岩絵の具の溝引き』はあまり向いていないと思います。
●刷毛は3センチ程度の小さな刷毛から、25センチくらいの大きなものまで、様々な大きさがありますので、作品サイズに合わせて、使い分けます。
10号までの作品であれば、幅が10㎝くらいの刷毛で良いかもしれません。

●写真上 日本画の描き方で、最初に行う『墨入れ』
です。いわゆる『隈取り』ですが、
『隈取筆』を以外にも使いません。最初から先の効く筆で隈取りします。

●ポイントは、『薄墨』『濃墨』『水』を、使い分けることです。
墨はすぐに乾いてしまうので『ぼかし』にあまり時間をかけると、『にじみ』や、『調子の失敗』になります。
●濃い墨と薄い墨が、すぐ分かると、失敗?が減らせます。

●写真上 岩絵の具の上に銀箔を貼ったものです。
箔が絵具で盛り上がった状態です。
●画面の上は箔を貼った後に『濡れ雑巾』で箔をこすり落とした状態です。
岩絵の具の『隙間』に箔が残る技法です。
この箔を岩絵具の隙間に残す技法は
私や岸本浩希さんの中では『山口貴士技法』と呼んでいます。

●日本画の描き方には、色々な技法がありますが、この描き方は、ちょっと難しいのですが、岩絵の具に慣れてきたら、やってみてください。面白い効果が得られると思います。
●この描き方の際に、『アルミ箔』は、細かい粉を吸うと、病気になるかもしれないので、アルミ箔の値段は安いですが、オススメしません。

●写真上 『サーキュレーター』も大活躍です。
●日本画の描き方の中では『ドライヤーの温風』は使いません。
ドライヤーの温風は『しみ』や『岩絵の具のひび割れ』の原因になるので、自然乾燥が一番です。
●ドライヤーは岩絵の具の表面が先に乾き、中のにかわが、外の絵の具を引っ張り、田んぼのひび割れのような現象が起こるためです。
●どんなに急いでいても、温風は控えます。
『うちわ』もたまに使います。
以上 日本画の描き方でした。
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